床や壁に付いた時間が経った墨汁汚れは、水で濡らした雑巾を使って拭き取ることにより、多くの汚れを落とす事ができます。
墨汁には、松の木などを燃やした煙から取れる「すす」や、動物の皮や骨に含まれているコラーゲンを原料としたタンパク質である「にわか」、石炭や防腐剤などが含まれています。
中でも「すす」は、水を弾く性質を持っているため、墨汁は不溶性の性質をもっています。
したがって、水だけでは墨汁汚れはきれいに落とす事が難しいのです。
特に時間が経った墨汁汚れは、なかなか落としにくいと多くの人が悩んでいます。
そこで今回は、時間が経った墨汁汚れの落とし方について紹介します。
床や壁、洗面台や洋服に付いた墨汁汚れに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
床や壁に付いた時間が経った墨汁汚れの落とし方!
大前提として、床や壁に付いた墨汁汚れは、なるべく早く対処するように心がけてください。
冒頭でもお伝えしましたが、墨汁には汚れとして残りやすい、不溶性の成分が多く含まれている上、洋服に付いたときと比べて、床や壁の場合は使用できる洗剤などのアイテムが限られてしまうからです。
ですが様々な事情から、墨汁汚れをすぐに対処することができない場合も鑑みて、まずは床や壁に付いた時間が経った墨汁汚れの落とし方について紹介します。
初めに床についた墨汁汚れについてですが、一概に「床」といっても様々な種類があります。
フローリングの床に付いた墨汁汚れの落とし方
フローリングに付いた墨汁汚れは、多くが水で濡らした雑巾やティッシュで、汚れ部分を押し当てたあとに拭き取ることができます。
拭き取っても落ちない汚れは、水で濡らしたメラミンスポンジや歯ブラシで擦りましょう。
また、フローリングに敷かれたカーペットに付いた墨汁汚れは、洋服に付いた墨汁汚れの落とし方と同様の方法で落とす事ができます。
なお、洋服の場合については後ほど説明します。
畳に付いた墨汁汚れの落とし方
次に畳に付いた墨汁汚れについてですが、まずはフローリングの時と同様に、水で濡らした雑巾やティッシュで汚れ部分を押し当てましょう。
その後、水で薄めた中性洗剤を使用し汚れ部分を落としていくのですが、その際歯ブラシを使い、畳の目に沿って擦っていきます。
最後に扇風機などを使い、畳を乾かしていきます。
畳は濡れた状態だとカビが生えやすくなるからです。
しかし、墨汁に含まれている炭素粒子が畳の目に入り込んでしまうため、汚れをきれいに落とすのは難しいのが現状です。
そのため、表面の部分はある程度汚れが落ちますが、畳の中に染み込んだ墨汁汚れは取り除くことは難しいことは覚えておきましょう。
壁に付いた墨汁汚れの落とし方
最後に壁についてです。
まずは水で濡らした雑巾で拭き取り、表面がデコボコしていたりなどで拭き取っても落ちない汚れは、水で濡らしたメラミンスポンジで擦りましょう。
これで大半の墨汁汚れは落とせますが、落ちない場合は専用洗剤やスチームクリーナーなどのアイテムを使うのもおすすめです。
ただし、壁の素材によっては専用洗剤が使えない場合もあるので注意しましょう。
洗面台に付いた時間が経った墨汁汚れの落とし方
次に、洗面台に付いた時間が経った墨汁汚れについて説明します。
洗面台に墨汁汚れが付く理由として、洗面台に残っている水垢が墨汁に染まり、シミになってしまうこと、洗面台についた傷に墨汁が入り込んでしまう、という2点が挙げられます。
いずれもなるべく早く対処することが必要です。
まず水垢が原因で付いた墨汁汚れの落とし方ですが、メラミンスポンジがおすすめです。
墨汁は水垢に染まっているので、要は水垢を取れば墨汁汚れも一緒に落ちるということです。
次に洗面台の傷が原因の墨汁汚れですが、研磨剤を少し使用することで汚れを落とす事ができます。
研磨剤を多量に使用したり、ゴシゴシ擦ってしまうと洗面台を傷つけてしまう恐れがあるので、泡立てながら優しく擦ることを心がけてくださいね。
洋服に付いた時間が経った墨汁汚れの落とし方をご紹介
ここからは、洋服に付いた時間が経った墨汁汚れについて説明します。
墨汁汚れは、洋服についてしまうことが多いため、どのアイテムを使うときれいに汚れを落とせるか迷うところだと思います。
そこで今回は、多くの人が使用する、重曹・オキシクリーン・ハイター・歯磨き粉・セスキの5種類のアイテムを使った落とし方を紹介します。
洋服に付いた時間が経った墨汁汚れの落とし方重曹編!
初めに重曹について説明します。
重曹を60度程度のお湯に溶かして漬け置きし、その後良くすすぎます。
また、重曹にオキシクリーンなどの酸素系漂白剤を入れることで、墨汁汚れが一層落ちやすくなります。
これは重曹がアルカリ性の洗剤であり、酸素系の漂白剤を混ぜることでアルカリ度が高くなるためです。
オキシクリーンを使った服に付いた時間が経った墨汁汚れの落とし方!
次に、オキシクリーンについて説明します。
オキシクリーンは、先述のとおり酸素系漂白剤で、洗濯の際の漂白剤や様々な場所での掃除洗剤、最近では「オキシ漬け」として多くの人が使用しているものでおなじみの洗剤です。
今回の墨汁汚れにもオキシ漬けが効果的です。
40度〜60度程度のお湯にオキシクリーンを入れ、その中に洋服を6時間程度つけ置きしましょう。
服に付いた時間が経った墨汁の落とし方ハイター編!
次は、塩素系漂白剤として台所の掃除でよく使われるハイターを使った落とし方についてです。
泡タイプの場合は汚れ部分に直接かけ、30分ほど放置した後に水でよく洗い流すようにしましょう。
なお液体タイプを使う場合は、服の素材を痛めてしまうおそれがあるので、水で薄めた状態で漬け置きし、その後良くすすぎましょう。
また、ハイターは漂白力が強い塩素系漂白剤のため、色や柄物の洋服への使用は控えましょう。
歯磨き粉を使った服に付いた墨汁の汚れを落とす方法を紹介!
次に歯磨き粉ですが、水や油に溶けない墨汁には、歯磨き粉の成分に含まれている研磨作用が効果的です。
まず洋服の下にタオルを敷き、歯磨き粉を墨汁汚れに直接つけ、水に濡らした歯ブラシで擦っていきます。
汚れが薄くなったら石鹸で擦り洗いをし、最後はぬるま湯ですすぎましょう。
研磨作用によっては洋服の生地が薄くなる場合もあるので、繰り返しの洗濯はなるべく行わないように注意してください。
セスキ炭酸ソーダで服に付いた墨汁を落とす方法!
最後にセスキを使用した方法を説明します。
セスキは「セスキ炭酸ソーダ」という名で、普段の掃除でよく使われているアルカリ洗剤です。
まずセスキ炭酸ソーダを小さじ1杯を、水小さじ1杯で薄めてセスキ水を作り、墨汁汚れに染み込ませてもみ洗いをします。
その後は水でよく洗い流しますが、汚れの落ち具合によっては、数回繰り返していくことをおすすめします。
洋服に付いたどうしても落ちない時間が経った墨汁の汚れはクリーニングがおすすめ
ここまで洋服についた墨汁汚れの落とし方を紹介しましたが、それでも汚れが落ちなくてどうしようもなかった場合は、思い切ってクリーニングへお願いしましょう。
今回は、巷で評判のクリーニング業者2社を紹介します。
宅配クリーニングのサマリーポケット
サマリーポケットは、収納場所に困った洋服や物品を、専用のボックスに詰めて送ることで保管をしてくれる収納サービスを提供している会社です。
トランクルームを借りるより安く、ボックスの取り寄せは無料、預けた荷物は写真で、スマートフォンやパソコンで管理する事ができます。
サマリーポケットではオプションとして、洋服を預けたままクリーニングをするサービスも行っています。
なおクリーニング作業は、全国に店舗があるクリーニング業者である「ホワイト急便」が行っています。
クリーニングサービスを利用する事ができるのは、スタンダードコースとプレミアムコースの2種類で、プレミアムコースは素材に合った特殊ドライクリーニングを行っており、抗菌や防カビなどの加工をしてくれます。
墨汁汚れなどの特殊なシミ汚れに関しては、スタンダードコースにおいても洋服の特性に合った薬剤を使ったシミ抜き方法で1点ずつ作業を行っています。
特に衣替えなどの季節物のクリーニングと、その保管場所に余裕がない場合は、サマリーポケットはおすすめです。
ヤマトヤクリーニング
ヤマトヤクリーニングは創業60年以上の老舗クリーニング店です。
クリーニング作業をするのは30年以上の経験を誇るベテラン職人で、ほとんどの作業工程が手作業で行われています。
特殊なシミ抜きや洋服の繊維を痛めない自然乾燥など、とても丁寧な仕上がりが評判となり、口コミでも高い評価を獲得しています。
クリーニング完了までの日数は少しかかりますが、その分満足な仕上がりを期待する事ができます。
また、最長10ヶ月の保管サービスも行っているので、衣替え時期の面倒な作業を軽減する事ができるのも、嬉しいポイントの一つです。
ネットからの申し込みの場合、限定クーポンを獲得することができますので、一度ホームページにアクセスしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 墨汁汚れは、できるだけ早く対処する必要がある。
- 墨汁は不溶性成分のため、時間が経過すると汚れが落ちにくくなる。
- 床や壁に付いた墨汁汚れは、水で濡らした雑巾やメラミンスポンジ、歯ブラシでほとんど落とす事ができる。
- 洋服に付いた墨汁汚れには、身近な洗剤などで対応が可能だが、それでも落ちない場合はクリーニング店に依頼する。
今回は、時間が経った墨汁汚れの落とし方について紹介しました。
繰り返しになりますが、墨汁汚れは放置せず、すみやかに対処するようにすることがとても重要です。
万が一の時は、今回紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。