お盆礼という言葉を聞いたことがありますか?
使う地域と使わない地域がありますが、「お中元」と同様の意味で使われていることが多いです。
しかし、お盆礼にはお中元との違いもまたあります。
今回はそんな少し厄介な、お盆礼についてのお話です。
お中元と違う点についてや、もう1つの意味の場合についても深掘りしてきます!
お盆礼とお中元の違いはここだった!知っておきたい2つの習慣を解説!
「お盆」にお経をあげに来てくれたお坊さんへの「お礼」から、お盆礼という言葉が生まれたとされています。
また、広い意味でみれば、お盆礼とお中元という習慣に、大きな違いはなかったりします。
これらのことを踏まえた上で、お盆礼とお中元の違いがどこにあるのかを見ていきましょう。
日頃お世話になっている人に感謝の気持ちを込めて、お中元を贈りますよね。
この習慣はそもそも、お盆礼が元になっています。
お盆礼には、お中元で送るような品物を指す意味も含まれているのです。
お盆礼=お中元かといえば、それだけではありません。
お盆礼には、お中元とは違うもう1つの意味もあります。
それが、「お布施」です。
お盆礼という言葉のはじまりについては、先に触れた通りです。
現代では、お経のお礼はお布施のことを指しますよね。
ここまでで、お盆礼とお中元の違いをまとめてみましょう。
・お盆礼→お世話になった人に贈る品物・お布施の意味がある
・お中元→お世話になった人に贈る品物の意味がある
さらに違いを挙げるとすれば、言葉の使われている範囲でしょうか。
お中元は広く一般的に使われている言葉ですが、お盆礼という言葉は、使う地域と使わない地域があるのを覚えておくといいでしょう。
なので、仮にお盆礼という言葉を知らなくてもそれは無知だからではなく、お盆礼という言葉を使う地域になかったという可能性もありますよ。
お盆礼の金額の相場をご紹介!
こちらでは、お布施としての意味でのお盆礼についてさらに深掘りしていきます。
お盆礼にいくらくらい渡せばいいか迷っていたなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
一般的には5,000~20,000円あたりが相場
一般的には、このあたりの金額が相場だといわれています。
お盆礼というものにはそもそも、その家々が生活に支障のない範囲で行うべきという考え方があります。
だいたいこれくらいの金額がお盆礼の相場と思うに留め、無理のない範囲でお布施として渡すといいでしょう。
初盆のお盆礼は30,000~50,000円に相場がアップ
故人が初めて迎えるお盆である初盆の場合には、金額の相場が上がるとされています。
初盆の場合には故人の親しい知人や親戚なども迎えてお経をあげてもらうことが多いため、相場も上がってしまうのです。
こちらも多ければいいというものでもありませんので、上限を5万円あたりとして用意しましょう。
加えて、お車代として5,000~10,000円くらいをプラスする場合もあることを頭に入れておくと心配が少なくなりますよ。
お盆の水引の色はどれにすべき?関東と関西で違うって本当!?
お経のお礼であるお盆礼ですが、入れるのは白い封筒で、水引なしでもよいとされています。
しかし、場合によっては(不祝儀袋を使う場合)必要な場合もありますので、注意が必要です。
こちらでは水引を用いることを前提として、その場合にはどんな色が適しているのかを見ていきましょう。
双銀や白黒の水引
一般的(主に関東地方)には、双銀や白黒の水引が使われます。
しかし、地方や法要の種類によっては別の色を使うこともあります。
それについては、次で詳しくご説明します。
関西では黄色と白の水引
関西地方においては、黄色と白の水引を使うことがあります。
なぜ黄色と白なのかについては、次のような説があるとされています。
もともと紅白の水引は、皇室献上用の水引として用いられてきたという経緯があります。
しかし、染めた直後の水引の色が黒と白に見えたことから、区別するために黄色と白の水引が使われるようになったという説があります。
入仏法要・建碑法要の場合は紅白の水引
入仏法要と建碑法要とは、一体どのような法要を指すのでしょう。
まずは、それぞれの説明をさせていただきますね。
- 入仏法要:御本山から本尊様を新仏壇に迎え入れる時の法要
- 建碑法要:お墓を新しく作る時の法要
以上のような法要の場合には、水引の色は紅白とされています。
これは浄土真宗における考え方なのですが、どちらの法要の場合も、本尊様を迎え入れるお祝い事と捉えるためです。
そのため、水引の色が紅白となるのです。
お盆礼をお渡しする際には以上のことを参考に、正しい水引の色を選びたいですね。
お盆礼をお寺に渡すのし紙の表書きの書き方はコレ!覚えておくのはたった3つだけ!
お盆礼をのし紙に入れてお寺さんに渡す場合には、名前などの正しい表書きの書き方を押さえておきたいですね。
お盆礼ののし紙の書き方は実はとても簡単で、覚えておきたいのはたった3つのことだけなのです!
- 表には「御盆礼」と書く
- 下段に「氏名」を書く
- 住所も記載する場合には裏面に
たったこれだけです。
住所を書かなければ書くべき場所はたった2つなので、とても簡単ですね。
また、表には御盆礼ではなく、「お布施」と書いても受け取ってもらえるといわれています。
併せて、参考にしてくださいね。
お盆礼をお寺へのお礼としてのし紙を渡すタイミングはいつ?
水引やのし紙の書き方も完璧に整えたお盆礼ですが、渡すタイミングが気になるところではないでしょうか。
お盆礼はずばり、お経が終わってからお渡しします。
お坊さんがお経を読まれた後に、お茶などをお出しして休憩を取っていただくと思います。
お盆礼は、そのタイミングでお渡しましょう。
その時も、手渡しにはしません。
小さなお盆や、菓子折りなどの上に載せてお渡しするのがよいとされています。
お盆の忙しい時期は、お坊さんが休憩する時間を省略されることも考えられます。
その場合には、帰られる時にお礼を言ってお渡しするといいでしょう。
渡すタイミングを間違えたからといって受け取ってもらえないということはありませんが、なるべくマナーは守りたいですね。
まとめ
お盆礼という言葉には、耳慣れなかったという人も多いかもしれません。
しかし、この言葉の持つ「お中元」「お布施」という意味を知れば、何も特別なものではないということが分かっていただけたかと思います。
今回はお盆礼=お布施という意味にスポットを当て、水引の色やのし紙の表書きの書き方など、実際に使える作法についてご紹介しました。
不明なことが明らかになったのであれば、とても嬉しいです。
今後、お盆礼という言葉に出くわしても慌てず、今回の記事を思い出してもらえればと思います。
必要な場合には、ぜひ参考にしてくださいね。