うちの子、すぐ嘘をつくんです。
やったのにやってないと言ったり、
やってないのにやったと言ったり・・・・。
これらは、私が保育士として勤務していたころに、よく保護者の方から相談をされていた内容です。
子どもの嘘は、実は日頃の子どもとの関わり方が非常に大きく関係してきます。
今回は、主に未就学児の子どもが嘘をつく理由と対応の方法について話していきたいと思います。
子どもの嘘に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。
子育ての悩み 子どもが嘘をつくのは親の関わり方の問題!
子どもが嘘をつく理由は、大きくわけて3つです。
1つ目は、「こうあってほしい」という願望からの妄想
2つ目は、「怒られたくない」という逃げの嘘
3つ目は、「大人に気を遣う」という優しさからの嘘
というもの。
1つ目の嘘は、基本的に心配しなくていいです。
たとえば、実際には食べていないのに、「今日は保育園でケーキを食べたよ!」と報告してきたとします。
これはケーキを食べたい!という欲望から頭の中で想像が膨らみ本当に食べた気になったとか、お友達との遊びの中で「ごっこ」で食べたとか、そういうパターンが多いです。
こういう嘘には、「そうなんだ~美味しかった?」などと、子どもの話にぜひ付き合ってあげてください。
本人の中では、本当のことなので否定的な言葉はやめてあげてくださいね。
妄想癖がある!?と心配される保護者さんもたまにいらっしゃいましたが、言ってしまえば子どもなんてそんなもんです。
基本的に子どもは、現実と空想のはざまを行ったり来たりしながら生きていると思えば、こんな嘘も可愛く思えます。
ただ、そこまで詳しく話が作りこまれていることはまれです。
あまり真剣に詳しく、ぐいぐい聞きすぎても中には嫌がる子もいるので、お子さんのタイプに合わせて対応してくださいね。
重要視したいのは、2つ目と3つ目の嘘です。
これは何かをごまかそうとするときにつく嘘です。
歯磨きしてないのに、「したよー。」と言ったり、いたずらして物を壊したのに、「僕じゃない!」と言ったり。
本当は遊んでほしいけど、お母さんに気を遣って、自分の気持ちを押し殺し、一人遊びをしたりする、静かな嘘もあります。
こんな嘘をつくようになったら、普段のお子さんへのかかわり方を見直してみてください。
子育てでポイントとなるのは叱り方と褒め方!
お子さんへの関わりで重要なのは、叱り方と褒め方です。
まずは叱り方のコツですが、何か悪いことをしたときに感情的に大声で怒鳴ったり、人のいるところで叱ったりしていませんか?
このような叱り方は、基本的に本当に伝えたいことは、子どもに伝わっていないことがほとんどです。
「怒られた」恐怖だけが記憶に残り、どうしてやっちゃいけないのか、どうしてママが自分を叱ったのかは理解できないままです。
そのため、また同じことを繰り返してしまい、時に嘘をつくことで、あの恐怖から回避しようとするわけです。
子どもを叱る時は、両手をしっかり握り子どもと目線が合うようにしゃがみ、目を見て何がいけなかったのか、どうしていけないのか、それによってママはどんな気持ちになったのかを、子どもにもわかるようにゆっくりと話してください。
大事なのは、本人を否定するのではなく、行為を否定することです。
そして、何か失敗をしてしまったときにも、できるだけ認めてあげる言葉がけも添えるようにしてください。
そうすることで、「やっちゃった」ときでも、ママは自分を受け入れてくれると安心感を抱き、嘘でごまかすことは減っていくことでしょう。
次に褒め方です。
実は、褒めるのは叱る以上に難しいです。
「すごいね!」「えらいね!」という言葉をかけがちですが、むやみにかけてしまいますと、褒められたいがために嘘をつくこともでてきてしまいます。
そのために、褒めるのではなく共感と感謝を伝える言葉がけを意識してください。
上手に靴が履けたら、「上手に靴が履けたね!」
お友達に優しくできたら、「お友達に優しくできたね!」
実は、これで充分なんです。
なんでもかんでも「えらい」「すごい」と言われるよりも、しっかり自分を見てくれていると子どもは感じて、自己肯定感が育ち、自分の行動に自信が持てるようになります。
子どもが嘘をつくのは、親への恐怖心、不信感と自己肯定感の低さからです。
叱り方と褒め方のコツをしっかりおさえて、子どもが嘘をつかなくてもいいような環境を整えてあげてください。
ママが子育てでイライラしていると必ず子どもに影響する!
子どもは大人以上に敏感です。
特に、親の機嫌については超敏感です。
子どもと関わる時にイライラしていることが多くなると、子どもは自分のせいでママはいつもイライラしているんだと、次第に自分を責めるようになります。
そうなってしまうと、自分の感情を押し殺し大人に気を遣うようになったり、自分の気持ちを素直に表現できなくなって嘘が増えてしまいます。
もしイライラしてしまっても、あなたのせいじゃないんだよと伝えてあげてください。
「ちょっと疲れちゃっただけだよ。」
「あなたは悪くないよ。」
と伝えるだけで子どもは安心します。
ママだって人間なのでイライラしてしまうこともある。
でもそれは自分のせいじゃないと思えるようになります。
子どもだからわからないだろう、は大間違いです。
子どもにも場の空気や大人の機嫌はしっかりと伝わってしまうんです。
嘘をつくのは子どものせいではない!
とにかく伝えたいのは、嘘をつくのは子どもが「嘘つき」だからではありません。
むしろ嘘をつかせてしまった「環境」を見直してください。
生まれつき嘘つきの子どもはいません。
大人がつくった環境が子どもに嘘をつかせてしまいます。
そして、嘘をつけるようになったことも成長の一つです。
出来るだけ嘘をつかなくてもいいような環境を整えてあげてくださいね。